内定辞退のときの連絡はメール?電話?派遣の場合の辞退方法は?

派遣先企業から内定をもらった後でも、やはり気がすすまないということもあるでしょう。派遣社員で応募する際には併願も珍しくないため、断ること自体は問題ありませんが失礼にならないようにすることが大切です。内定辞退をするときの基本的マナーや具体的な方法、注意点について解説していきます。

内定辞退の基本マナー

職業の選択の自由は憲法で定められた権利ですが、お断りする際の社会人としてのマナーは、心得ておく必要があります。内定を辞退するときの基本的なマナーを確認しておきましょう。

内定を辞退するときはどうしたらいいの?

意思表示を明確にする

いかなる理由で辞退するとしても、意思表示は明確に伝えなければなりません。気を使って遠回しな言い方をしたばかりに意図を間違えて受け取られ後でトラブルとなってしまっては大変です。まずは、自分自身できっちりと「お断り」をする気持ちを固め、たとえ引き止めにあっても揺らがない気持ちを定めておきましょう。

電話とメールではどっちがいい?

相手企業にもよりますが、一般的には電話で連絡するのが良いとされています。メールのみの場合には担当者が見落とす恐れもあり、確実性が低くなります。また、企業側の立場を考えれば、辞退をなるべく早期に知った方が、後の対応がしやすくなるので電話のほうが親切であると言えます。
電話であれば、たとえ担当者が席を外していても社内の人に伝言を残してもらえるため、いずれにしても辞退者側としてやるべきことは果たしたことになります。できれば電話で伝えた後、メールで補助的にあいさつをしておくと良いでしょう。「聞いていない」という行き違いも避けられます。

辞退をするタイミング

どのような事情であれ、内定を辞退すると決めたらできるだけ早いタイミングで連絡することが重要です。返事を引き延ばしてしまうと、それだけ応募先企業を待たせる結果となります。その間に、もしかしたら他の有力な候補までをも失わせることになりかねません。内定辞退が、せっかく選んでもらった申し出を断る行為であるのを忘れず、電話やメールの返信など、誠意をもって早めに辞退を表明しなければなりません。

言葉遣いは慎重に

内定辞退を伝える際には「辞退すること」を明確にしながら丁寧に伝えるのを心がけます。悪いことをしたわけではないのでことさら恐縮する必要はありませんが、相手の気分を害さない話し方は大切です。万が一、将来的に縁があり同じ企業にお世話になる可能性もないとは言えません。
また、人の悪評というのはどこからでも、漏れていくものです。礼儀を失した態度を取るのは、今後の自分のためにはなりません。「この度は誠に申し訳ございませんが」といったまくら言葉を置きながら、社会人として正しい言葉遣いで、内定を辞退することを知らせるようにしましょう。

連絡なしは最低最悪

どれだけ断りづらくても「連絡をしない」のはあり得ない行為です。「このままにしておけばどうにかなるだろう」というような問題ではありません。内定が決まった時点で企業は1人分の席と仕事を空けて内定者が来るのを待っています。ずるずると返事を引き延ばすほど、断りにくくなるものです。その企業には行かない、と決めたらすぐに何らかの手段で連絡を取るようにしましょう。

内定辞退にまつわるよくある疑問

内定を辞退したいけれど、何かと不安に感じる人もいるようです。ここでは内定辞退にまつわる一般的な疑問について見ておきましょう。

一般的な内定辞退でもたれる疑問と回答

内定辞退に関して感じる疑問については、次のような対処方が挙げられます。

内定辞退の理由は必要?

内定を辞退した場合、必ずしもその理由を聞く企業ばかりではありませんが、一応の理由は準備しておくに越したことはありません。企業によっては「今後の採用活動の参考にしたい」というところも多い傾向にあります。基本的には嘘をつかず、誠実に答えるのが一番です。無理に健康のせいにしたり、家業を継ぐなどありもしないことを理由にしてしまうと、どこかで別会社の人間として鉢合わせしたときなどに、心証が良くありません。
「目指していた職種や業界が違った」「適性が合わないように感じる」など、ネガティブではない理由を述べるのがおすすめです。間違ってもその企業についてのマイナス面を述べることのないよう、気をつけましょう。

内定承諾書にサインしてしまっていたら?

内定承諾書には法的拘束力は一切ありません。自署捺印すると何だかとてつもない契約をしたように感じてしまいますが、内定承諾書はいわば企業側が約束を取り付けるために作成するものです。日本国民には職業選択の自由が憲法で認められています。就業後でも、いつでもその会社を辞めることはできます。
また、承諾書にサインをしたら確かにサインをする前よりは断りにくくはなりますが、例えば企業間の契約のように不履行を責められるものではありません。ただ、内定承諾書にサインをした時点で、その企業に就職するという約束をしていることには違いありません。約束を取り消すからには、早めに辞退を伝えるのがせめてもの誠実さであると言えます。

損害賠償や費用請求を求められたら?

内定辞退を理由に、損害賠償や費用請求を求められても応じる必要はありません。民法や労働基準法では、退職の自由(民法627条1項)と強制労働の禁止(労働基準法の第5条)が定められており、内定者がそれを取り消しても企業側には賠償を請求する権利はありません。もしも内定辞退について、上記のような内容のことを言われたとすれば、その会社はいわゆるブラック企業であるということになります。
もちろん、企業側が裁判を起こしたとしても、法律的には根拠が認められず、相手方に勝ち目はありません。労働基準法ではまた以下のような条文も定めています。

「使用者は、労働契約の不履行について違約金を定め、又は損害賠償額を予定する契約をしてはならない」(労働基準法第16条)
引用元:電子政府の総合窓口e-Gov(イーガブ)

つまり、就職に関しては違約金の発生するような取り決めは、違法です。内定通知書などに、辞退への罰則を記載するのは法律に触れる行為にあたります。

派遣の仕事を断る場合のマナー

ここまでは、一般的な内定辞退のマナーについて見てきましたが、それがすべて派遣社員に当てはまるわけではありません。派遣の仕事を断る際のマナーについて見ていきましょう。

一般社員とは異なる派遣の仕組み

派遣社員の場合は、仕事紹介から就業決定までの流れが正社員とは異なります。派遣社員は派遣会社から仕事を紹介された時点で、すでに選考済みと考えられます。派遣先企業とは派遣会社の担当者がやりとりし、実際に働き出すまでは派遣社員が派遣先と関わることはまずありません。つまり、就業前に内定辞退する場合でも、派遣社員自らが派遣先に直接内定辞退を伝えることはありません。派遣社員が内定を辞退したいというときには、派遣会社の担当者に伝え、その先の対応は派遣会社側が行います。

派遣会社への内定辞退の注意点

派遣会社へ内定辞退をする際には、主に次のような点に注意が必要です。

内定辞退のタイミング

派遣社員の場合、内定を辞退するタイミングとしては仕事紹介されたときに断るのが最も適当です。派遣の仕事は、派遣社員に対して紹介があった時点においては、派遣される方向で話が進められています。派遣社員が断らなければ、そのまま就業することで決着します。手続きや契約、受け入れる側の準備を考慮すれば、その場で辞退の意向を派遣会社の担当者に伝えるのがベストです。返事を延ばしている場合、就業への承諾をする前であれば、どこに対してもさほどの負担をかけずに済みます。

迷いがある場合は派遣会社の担当者へ正直に伝える

紹介された仕事の内容に対して気がすすまず、迷いがある場合には派遣会社の担当者に気持ちを正直に伝えてください。働き始めてすぐに辞めるよりは、内定を辞退する方が賢明です。家庭やプライベートな事情などで就業に不安がある場合にも、辞退の可能性があることを担当者に伝えておくことで、トラブルの防止策となります。

派遣の仕事を内定辞退するときに送るメールの例文

先にも触れましたが、派遣の仕事の場合には内定辞退を連絡する先は派遣会社の担当者です。お断りをする際には、電話で一報を入れるのが良い方法です。また、電話をかけた際に担当者が不在だった場合にも、メールを入れておくと安心です。メールで内定辞退の連絡をする場合の例文は次の通りです。

内定辞退のメール例文

御社で登録させていただきました〇〇と申します。
このたびは、お仕事の紹介と内定のご連絡をいただき、誠にありがとうございました。
先ほど、その件でご連絡を差し上げましたが、担当者の○○様がご不在とのことで、メールを送らせていただきました。

大変申し訳ございませんが、今回のお仕事については辞退させていただきたく存じます。
お役に立てるのではないかと応募しましたが、熟考の結果、就業させていただくのは難しいという結論に達しました。
お骨折りいただいた皆様には、心より感謝いたします。
貴社益々のご発展を心よりお祈り申し上げます。

内定辞退は早期に連絡を

派遣社員であっても、気のすすまない派遣先で無理やり働く必要はどこにもありません。むしろ、派遣だからこそ、納得のできる就業場所を選択できる自由があります。内定を辞退することは、憲法で保障された権利でもあります。しかし、社会の一員である以上は、応募先企業や派遣会社に対しても、それ相応の礼儀をもって対処することが必要です。
そのため、仕事紹介、内定をされた時点でなるべく早期に決断をし、内定辞退をする際は日を置かずに連絡することが大切です。派遣社員の場合は、登録会社の担当者に対して辞退する旨を連絡しますが、その際にも感謝の気持ちを忘れずに伝えるようにしましょう。